ソフトバンクは、2020年3月期の連結純損益(国際会計基準)が9615億円の赤字であった事を5月18日に発表しました。
9615億円って…巨額すぎて一般人からはよく分かりませんよね。
理由も想像が付かない人もいらっしゃるのではないでしょうか。
「営業成績が悪いんじゃない?」
いいえ、違うんです。
当記事では、経済などに詳しくない方でも、この件について簡単に理解ができるように解説をしていきます。
大赤字 最大の理由は「投資」
Softbankと聞くと、白い犬のお父さんのスマホ回線キャリア会社のイメージが強いかもしれません。
もちろん従来までは通信事業の運営に力を入れていたわけですが、
「今後は97%を投資に費やす」
と孫正義社長が発言しています。
今回の大赤字は、殆どこの投資事業が引き起こしたと言っても過言ではありません。
ソフトバンクグループは、日本でもUberEatsで広く知られる「Uber社」や、中国の大手通販サイト「アリババ」などの株式を所持しています。
他にもソフトバンク・ビジョン・ファンド、通称SVFという同ソフトバンクグループの投資会社を通じて、
- WeWork
- Slack
- Guardant Healrh
などにも投資をしています。
中でも今回問題になったのは、この「WeWork」という会社に対する投資が原因となり引き起こした赤字です。
赤字の根源は「WeWork」
WeWorkとは何者なのか?というところですが、主にワーキングスペースを提供するサービスを行っている会社です。
ワーキングスペースは、簡単に言えば「フラっと自由に入れる作業用オフィス」みたいな感じですね。
主にフリーランスのエンジニアやライターなど、PCを使って作業する方が多く利用しています。
需要もありそうですし、WeWorkも悪くありませんよね。
では、なぜ今回ソフトバンクを大赤字にするような事になってしまったんでしょう。
そもそもWeWorkは、AIを駆使した企業という事で注目を集めていたんです。
少し前までの企業価値は、時価総額4~5兆なんて言われるような超スター企業でした。
しかし、WeWorkがビジネスモデルとして掲げていたものは、
オーナーから借りた物件をワーキングスペースとして付加価値を付けて貸し出し、通常よりも高い賃料で貸し出す
という、なんとも目先の金しか考えていないようなものでした。
これが明らかとなり、WeWork創始者であり株主のアダム・ニューマンという人物がIPOを目前に株式を売却してしまったんです。
IPOとは、企業が上場した際、投資家へ向けて株式を公開する事です。
売却したことによってニューマン氏が得た金額は、約750億円にのぼるともいわれています。
予定されていたIPOも強制的に延期となり、大炎上となりました。
これにより、WeWorkの株価は暴落。ソフトバンクもその影響を受ける形になるどころか、孫正義氏本人の「投資力を疑問視する声」も上がったため、ソフトバンク自体の株価をも下げる結果となってしまいました。
粗悪なビジネスモデルを社として掲げてしまったWeWorkももちろん悪いですが、アダム・ニューマン氏が今回行った事は「出資詐欺なのではないか?」との声も上がっており、現在WeWorkとともに各方面からバッシングが飛び交っています。
スマホのキャリアがSoftbankの人は変えたほうがいいのか?
さて、悪いのはWeWorkという会社に出資してしまったことだった、という事はわかりました。
では、今回ソフトバンクグループが赤字になったという事は、私たちにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
まず先に頭に浮かぶのが、
「スマホのキャリア変えたほうがいいんじゃないかな…」
って事ですよね。うん多分そうでしょう。
答えを先に言ってしまえば、「そんな気にする事はない」です。
先ほどもお伝えする通り、ソフトバンクグループが社として通信事業に注力している割合は、わずか3%。
投資事業が上手くいかなかったからといって、通信事業にまで飛び火が来るような損失ではありませんから、まず気にする事はありません。
通信事業が折れるほどの失敗を投資事業でやらかしてしまったのなら、その時はソフトバンクグループが潰れるんじゃないかってレベルの時です。
しかし、もちろん今回のWeWorkの投資のような失敗を繰り返してしまえば、倒産してしまう確率はどんどん上がっていきます。
それほど今回の件はソフトバンクグループとして重く、孫正義氏も自らWeWorkの一件に関して反省の意向を示しています。
結局Softbankはヤバいの?
ヤバくなりかけた。 が適切でしょうね。
現状、ソフトバンクグループは投資会社ですから、孫正義氏の見る目次第で今回のような赤字などが発生してもおかしくはありません。
ここでWeWorkにどんどん肩入れしてしまうのならば、かなり危ない選択肢である事は間違いありません。
が、そんな事でもなさそうですので、現時点ではあまりユーザーにまで影響を及ぼすような段階ではないでしょう。
ただ、次の発表などで連続して大幅な赤字報告を出すようなら、ちょっと考えたほうがいいかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
テレビやスマホニュースなどで散々話題になっている「ソフトバンクグループ大赤字」。
何も知らなかった方から見ても、大まかな内容は理解できたのではないでしょうか。
ソフトバンクグループは他の企業と違う部分を沢山持っていますから、正直何があっても驚かないかな、というのが個人的な印象です。
全然関係ないですけど、カイ君かわいいですよね。それでは。
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